1977 年 27 巻 4 号 p. 345-349
H.acetosella(2n=72)とH.radiatus(2n=72)との相反交雑では,後者を母親とした場合にのみ交雑が成功した。F1は著しく雑種強勢を示し,形質によっては,両親の中間がまたは両親のいずれか一方に類似した。F1の花粉稔性は比較的高かったが,種子稔性はやや低く,一筋当り1.9粒であった。F2はF1同様に雑種強勢を示した。F1ならびにF2の体細胞の染色体数はいずれも2n=72で,成熟分裂では大部分の細胞で36IIを示した。以上のことから両親はほぼ相同のゲノムを有するものと推定した。