育種学雑誌
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アイソザイムパターンによるVicia属種間雑種後代の遺伝的固定度の推定 : II Vicia amphicarpa, tureとV.macocarpaとの雑種のアミラーゼアイソザイム
山本 喜良
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1979 年 29 巻 1 号 p. 59-65

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抄録
種問雑種後代における両親遺伝子の組換と遺伝的固定度を推定するため,Vicia amphicarpa,true(2n=14)とV.macrocarpa(2n=12)との雑種について,ポリアクリルアミドディスク電気泳動法を用い,アミラーゼのアイソザイムパターンを調査した。V.amphicarpa,,trueではα1,α2およびβ2,V.macrocarpaではα1,α2およびβ1のそれぞれ3本のバンドが検出された。これらのうち,α1とα2は両親間でRf値に差はなく,それぞれ同一であった。F1とR2では両親からの4本のバンドがすべて現われた。またF2では個体問で差異はなかった。F3植物では,両親バンドをいろいろの組合せに持つ10のバンド型が出現した。F3,F4で現われた各バンド型の出現率は,系統間で差異があった。これらのバンド型はβアミラーゼバンドによって3つの群に分類された。そのうちの1つは,父親のβ1バンドをもつI,II,III,IV型群であり,他はβ1とβ2をともに持つV,VI,VII,VIII群と,母親のβ2バンドをもつIX,Xバンド群であった。またF3とF4の両世代ともに,各バンド型群の個体の出現率とその前代の核型との間で関連が認められた。
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