種問雑種後代における両親遺伝子の組換と遺伝的固定度を推定するため,Vicia amphicarpa,true(2n=14)とV.macrocarpa(2n=12)との雑種について,ポリアクリルアミドディスク電気泳動法を用い,アミラーゼのアイソザイムパターンを調査した。V.amphicarpa,,trueではα
1,α
2およびβ
2,V.macrocarpaではα
1,α
2およびβ
1のそれぞれ3本のバンドが検出された。これらのうち,α
1とα
2は両親間でRf値に差はなく,それぞれ同一であった。F
1とR
2では両親からの4本のバンドがすべて現われた。またF
2では個体問で差異はなかった。F
3植物では,両親バンドをいろいろの組合せに持つ10のバンド型が出現した。F
3,F
4で現われた各バンド型の出現率は,系統間で差異があった。これらのバンド型はβアミラーゼバンドによって3つの群に分類された。そのうちの1つは,父親のβ
1バンドをもつI,II,III,IV型群であり,他はβ
1とβ
2をともに持つV,VI,VII,VIII群と,母親のβ
2バンドをもつIX,Xバンド群であった。またF
3とF
4の両世代ともに,各バンド型群の個体の出現率とその前代の核型との間で関連が認められた。
抄録全体を表示