育種学雑誌
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二条オオムギにおけるうどんこ病抵抗性突然変異の誘発利用に関する研究 : I. 抵抗性突然変異誘発におけるγ線とエチレンイミンの比較
山口 勲夫山下 淳
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1979 年 29 巻 3 号 p. 217-227

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抄録
本研究は二条オオムギのうどんこ病抵抗性突然変異の誘発効率をγ線およびエチレンイミン(EI)において比較したものである。アズマゴールデン,新田二条1号およびふじ二条の3品種を供試し,うどんこ病菌1はレースIXを使った。γ線の種子照射および生体照射からは低抗性突然変異は得られなかった。EIではγ線の場合とほぼ同数のM2個体を供試した中から,7系統16個体の低抗性突然変異が得られ,供試した3品種の中でアズマゴールデンの抵抗性突然変異頻度は他の2品種のそれの約50分の1の値を示し,供試品種により突然変異頻度が異なることが示された。アズマゴールデンおよびふじ二条から得られた4系統はレースIXに対する反応および相互交配の結果から同一遺伝子座の突然変異であることが確かめられた。新田二条1号から得られた3系統はすべて他の2品種からの低抗性系統とは異たる遺伝子座の突然変異であると思われる。二条オオムギのうどんこ病抵抗性突然変異体の選抜における育種方式について,M1穂別系統法と1穂1粒法の効率を論議した。
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