抄録
わき芽発生量に差のある黄色品種および日本の在来品種8品種間のHalf diallel crossにより,わき芽発生特性についてのHeterosisの大きさおよび相加的,非相加的分散成分の推定を行った。8品種およびそれらの間の28のF1世代の間において,わき芽発生量に差が認められた。F1世代におけるHeterosisの方向は少わき芽側であり,Ground suckerの数,Ground suckerの乾重およびUpstalk suckerの乾重において有意であった。遺伝分散中,相加的遺伝分散が大部分を占め,非相加的分散はその割合は低かった。このことは,わき芽発生量に関して固定系統の選抜が有利であることを示している。4調査形質の遺伝率は,Ground suckerの数でO.689,乾重でO.323,Upstalk suckerの数で0.414および乾重で0.512であった。調査4形質間の相関はいずれの場合も有意であった。