抄録
イネの Aus, Aman, Boro, Bulu, Tjereh の5生態型および日本品種を供試して,酸性フォスファターゼ・アイソザイム,フェノール反応,粒型,吸水速度,メンコティール伸長の高温反応(40℃),酸素吸収量などについて比較検討した。えられた結果から,5生態'型のうち,Buluのもつ諸特性と日本品種のそれらとの間には,高い類似性のあることが認められ,日本品種の成立にBuluの影響も無視できないことが示唆された。 Buluのもつ遺伝子の日本までにたどった道筋として,ジャワ-フィリピン-台湾-琉球-日本のルートと,シャワ-中国大陸-日本のルートの2つが考えられる。