ヘマトキシリン染色法を用いて日本のコムギ登録品種125(農林1号~125号),およびそれらの親系統として用いられた80品種,計205品種のアルミニウム耐性を調べた。その結果,登録品種・親系統のいずれにも耐性極強(Score1)のものは認められなかった。耐性強(Score3)の品種は登録品種中13品種(10.4%)で,ほとんどが北海道・東北・北陸の黒ボク土を試験圃場にもつ試験地で選抜されたものであり,その耐性は導入種のTurkey Red IIと在来種の白三尺に由来することがわかった。さらに,わが国の畑作地帯にはアルミナ性土壌が多く分布しているのに,耐性中(Score5)~弱(Score7)の登録品種が多数育成・利用されていることについて考察を加えた。