抄録
日長感受性が弱く基本栄養生長期問の短い農林20号,日長感受性が弱く基本栄養生長期間の長い農林1号,日長感受性が強く基本栄養生長期間の短い瑞豊の日本型イネ3品種を用い,出穂日,出葉速度,そして最終主稈葉数におよぼす気温および水温の各種組合せの影響について検討し,品種間差異を見出した。その結果は次の通りである。 1) 農林20号の出穂日は低温下(17/17℃:気温/水温)において高温下(23/23,29/29℃)に比べ遅れた。この遅延は気温の低下にともたう最終主稈葉数の増加と水温の低下にともたう減少が相殺することにより最終主稈葉数に変動はなく,出葉速度にのみ起因Lている。 2)瑞豊における低温下での顕著な出穂日の遅れは出葉速度の遅延のみならず,それに加え水温よりも気温の低下にともなう最終主稈葉数の増加に起因Lている。 3) .農林1号の出穂日の遅延の度合は瑞豊に比べ小さかった。これは出葉速度の遅延による出穂日の遅れを気温よりも水温の低下にともなう最終主稈葉数の減少によって緩和されたためである。 以上の結果,出穂日に対する温度の作用における品種間差異は,出葉速度に起因しているのではなく,気温と水漏との相互作用により決まる最終主稈葉数に起因していることが明らかとなった。