1983 年 33 巻 2 号 p. 195-207
極早生,中稈の長粒米品種'Ca1ifomia Belle'(NFD-69)と,極早生,短稈のパール米品種'Calpearl'(NFD-62C)を交配育種法で育成し,カリフォルニアにある長粒米,中粒米,短粒米の対照品種と比較を行った。すなわちFirebaughにある育種場で播種期試験3ケ年,異なる稲栽培地4ケ所における適応性試験1ケ年,米の主産地における大面債比較試作1ケ年を行い,これらを総合して見ると,次のような結果が明かになった。Calpear1の産量は最上クラースで,対照品種に比べて10%以上有意の増収を示した。早播,中間期および遅播の平均乾物靱収量はヘクタール当り11トン以上であった。Califomia Belleの産最は2番目の高産クラースで,対照の極早生中粒米品種M-101との間には収量の有意差はなかった。長粒,中粒および短粒米の早生対照品種.は収量の低い3番目のクラースにあったことはDuncan氏の多階テストで判った。Calpearlは特に遅播において,他の品種よりも明かに多収であったので,冬作の小麦や大麦の後作品種として注目を引く。