育種学雑誌
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タバコ葉肉プロトプラストからの不定芽誘導期問の短縮化
林 万喜子中島 哲夫
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1984 年 34 巻 1 号 p. 100-103

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抄録

タバコ葉肉プロトプラストから不定芽を急速かつ効率よく誘導する目的で,培養操作に改良を加えた。 人工気象室内で厳密に生育管理した,品種キサンチの展開葉を材料とし,プロトプラストを調整した。Nagata&Takebe(1971)のプレート法を一部改変し(マンニトール0.4M,イノツトール500mg/l),細胞分裂前に低温処理(4℃,16時間)を挿入して,カルス生長の斉一化をはかった(第I培養)。分裂速度が遅滞する直前(培養12日目)に,小カルスを含む培地寒天片をMurashige&Skoog(1962)の寒天培地(蔗糖2%,BAP1mg/l)上に移植して,カルスの生長促進をはかった(第II培養)。約100細胞期に達した時期(7日目)に。同じ組成の液体培地に移し,不定芽形成を誘導した(第III培養)。 以上,3段階の培養によって,プロトプラスト培養開始後わずか4~5週間で,約60%の小カルスに,不定芽形成を誘導することが可能となった。

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