育種学雑誌
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異種細胞質利用によるパンコムギの遺伝的変異の拡大 : 農林26号×農林61号のF3世代の遺伝的変異に対するエギロプス属4種細胞質の効果
米澤 勝衛立松 伸夫SPETSOV P常脇 恒一郎
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1986 年 36 巻 3 号 p. 262-273

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抄録
異種細胞質および正常細胞質をもつ農林26号と正常細胞質をもつ農林61号との正逆交配に由来する計460のF3系統を用い,エギロプス属種,すなわちAegilops squarrosa,Ae.kotschyi,Ae.speltoides および Ae.longissima,の細胞質がパンコムギの農業形質の遺伝的変異にどのような効果を及ぼすかをみた.これら4異種細胞質のうち,前2者については正逆交配こみで各100F3系統を,対照交配すなわち正常細胞質をもつ農林26号と農林61号の正逆交配に由来する100F3系統とともに,1982年に2回反復の分割区法(15個体/反復区/系統)で圃場に栽植して形質調査を行なった.また,後2者については正逆交配こみで各60系統を,対照交配由来の40系統とともに,1983年に前年と同様に栽植して形質調査を行なった.調査形質は,出穂日,止葉長,穂長,穂重,穂数/個体,穂長,第1~3節間長の9形質に,草型の指標形質として計算した第1節間長と稈長の比を加えた計10形質である.
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