育種学雑誌
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イネ品種IR20及びSemora Manggaのフィリピン産および日本産イネ白葉枯病菌レースに対する抵抗性の遺伝
小川 紹文山元 剛KHUSH Gurdev S.苗 東花
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1990 年 40 巻 4 号 p. 435-447

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抄録

イネ白葉枯病菌レースの国際判別品種を設定するため,抵抗性遺伝子を一つずつもつ準同質遺伝子系統の育成を日本農林水産省とIRRI(国際稲研究所)との共同研究として行った.その準同質遺伝子系統を育成する前提として,日本とIRRIの判別品種をフィリピン産及び日本産白葉枯病菌レースを用いて分析した.今回は,IRRI判別品種IR20をフィリピン産及び日本産白葉枯病菌レースを用いて分析した.また,IR20の持つ白葉枯病抵抗性遺伝子Xa-4と複対立である遺伝子Xa-4bを持つと報告された最初のイネ品種Semora Manggaについてもフィリピン産白葉枯病菌レースを用いて分析した.フィリッピン産白葉枯病菌の4つのレースを用いて,IR24/IR20のF2を分析した結果,IR20の白葉枯病抵抗性遺伝子Xa-4は,レース1に抵抗性を示し,レース4には中程度の抵抗性を,示すことが明らかになった.フィリピン産及び日本産白葉枯病菌レースを用いて,上記のF3を分析した結果,IR20の白葉枯病抵抗性遺伝子Xa-4は日本産白葉枯病菌レースに対しても有効であることが明らかであった.また,IR20が日本産白葉枯病菌レースIA,IB,Vに対して高度抵抗性を示したことから,黄玉/IR20のF2を日本産白葉枯病菌レースを用いて分析した結果,IR20は黄玉の持つXa-1及びXa-12を所有していることがわかった.従って,IRRI判別品種IR20は,フィリピン産及び日本産白葉枯病菌レースに対して,抵抗性遺伝子Xa-1,Xa-4及びXa-12を持つと結論した.

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