育種学雑誌
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属間交雑(オオムギ×トウモロコシおよびオオムギ×イタリアンライグラス)によるオオムギ半数体の作出
古庄 雅彦末永 一博中島 皐介
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1991 年 41 巻 1 号 p. 175-179

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抄録
トウモロコシおよびイタリアンライグラスの花粉を利用した属間交雑を行い,オオムギ半数体を作出した。2種類の属間交雑とも,授粉直後に2,4-Dを穂首節間に注入することによって,半数体を作出することができた。また,トウモロコシとの交雑において75ppmの2,4-Dは幼胚着生率および半数体作出卒を高めるために最も効率的であった。二条オオムギ14品種とトウモロコシとの交雑における幼胚渚生率および半数体作出率はそれぞれ0.0~19.6%,0.0~6.9%であった。二条オオムギ3品種とイタりアシライグラスとの交雑では0.0~16.7%および0.0~10.4%であった。いずれの交雑においても筑系7565が最も高い半数体作出率を示した。以上のように,2種類の属間交雑によってオオムギ半数体が得られることが明らかとなった。今後,属間交雑と半数体作出によく使用されているH.bulbosumによる方法を適宜使い分けることによって,半数体育種の適用範囲を拡大し,効率をさらに高めることが可能と考えられる。
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