抄録
ペチュニア属の種,品種,系統の花の外部形態による分類を試みるため,花の直径(CD),花筒の長さ(TL),花の全長(CL),および花筒の直径(TD)を測定した(Fig.2).これらの測定値をもとに,TL/CD,CL/CDおよびTL/TDの三つの比率を計算し,測定値とともに比較した.また,開花時の温度が花型に及ぼす影響を調べるため,30/24,25/19,20/14℃(いずれも昼温/夜温)のもとで開花させ,比較した.材料はP.parodii,P.axillaris(以上白花),P.inflata(赤紫花)の3野生種と,栽培種P.hybridaより'W166K','Rose'の2品種,さらにP.axillarisとP.inflataとの正逆F1の4種7系統を供試した.測定した4つの形質で系統間差異が認められたが(Table 2),CDはいずれの種,系統とも温度が低くなるほど大きくなる傾向を示した(Table 1,2a,Fig,3).CLは中温区が最長のものが多かったが,CDほどはっきりした傾向は認められなかった.TDは温度が低くなるほど大きくなる傾向を示し,P.parodiiとP.axillarisが他の5系統より小さかった.F1は,TD以外はいずれも両親の中間の大きさであった.また,P.hybridaでは'W166K'が'Rose'より全体に大きな値を示した(Table 1,2c-d).TLは種,系統間差異は認められたが,分散分折の結果,温度の影響は認められなかった(Table 2b).