育種学雑誌
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DNA多型連鎖地図作成とQTL解析のためのコンピュータ・プログラムMAPL
鵜飼 保雄大澤 良斉藤 彰林 武司
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1995 年 45 巻 1 号 p. 139-142

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抄録
核DNAの制限酵素断片長多型(RFLP)やランダム増幅多型DNA(RAPD)などのDNA多型を利用して,多くの作物で連鎖地図の作成が進められている.またDNA多型連鎖地図を利用して量的形質遺伝子座(QTL)の解析をおこなう方法がいくつか開発されている (Lander and Green1987,Lander and Botstein1989). 連鎖地図作成はDNA多型でも通常の形質の場合(Bai1ey1959)でも原理的には同じである.しかし,前者では利用できるマーカー数が著しく多いうえに,それらの同時分離データが得られるので,それらの情報を総合的に活用してきわめて詳細な連鎖地図を作成することが可能となっている.しかしマーカー数が多いので単にマーカー間で組換価を求めるだけでも莫大な計算量が必要となる.またマー力一の連鎖群内順序の決定などでは大行列の逆行列や固有値の計算が含まれる.さらにQTL解析には,収束した推定値を得るまでに大量の反復計算が要求される.このようなことからDNA多型利用による連鎖地図作成とその育種的利用にはコンピュータ支援が不可欠である.
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