育種学雑誌
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わが国西南暖地におけるコムギの茎立ち時期の幼穂長と出穂特性との関係
藤田 雅也谷口 義則氏原 和人
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1995 年 45 巻 4 号 p. 487-491

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抄録
わが国の西南暖地における凍霜害回避型早生コムギ品種としては,茎立ちが遅い早生品種が考えられる.そこで,幼穂分化及び茎立ち時期と出穂特性(春化要求度・純粋早晩性・感光性)との関係を明らかにするため,極早生から中生までのコムギ32品種・系統を材料として,幼穂分化程度,幼穂長,茎立ち時期,出穂期等を2か年にわたって調査した.その結果,茎立ちが極めて早い系統は春化要求度が小さいこと,また茎立ち時期の幼穂長に品種間差異があり,茎立ち時期が同じでも,幼穂長が長い方が早く出穂することが明らかとなった.茎立ち時期の幼穂長は,感光性が大きい系統では短い傾向が認められたが,感光性が小さい系統では長いものから短いものまで変異が大きかった.従って,茎立ち時期の幼穂長の品種間差異を感光性のみで説明することはできなかった.
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