育種学雑誌
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イネ硝酸・亜硝酸還元酵素活性の遺伝的変異
一井 眞比古Masahiko Ichii
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1996 年 46 巻 2 号 p. 125-131

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抄録

アイソザイム多型に基づいて分類したイネ(Oryza sutiva.L.)6品種群のなかから任意抽出した33品種を供試し,それら幼棚物葉身の硝酸還元酵素(NR)活性,亜硝酸運元酵'素(NiR)活性及び硝酸含有率を調べた.NADH-NR活性はいずれの品桶においてもNADPH-NR活性より大いに高かった.NADH-NR活性,NADPH-NR活性,NiR活惟及び硝酸含有率の6品種群閉0)羊はいずれも有意であった.NADH-NR,NADPH-NR及びNiR活性の品楠郡内における島種間差は'有意であったが,硝酸含有1率のそれは有意でなかった.NADH-NR及びNiR活性の品種間差は極めて・大きく,活性の高い昆種は低い品桶の3倍以11の活性を示した.供試品種はそのNADH-NR氾性によって高,中,低の品種群に分けられ,高NR活性品種群が優れた硝酸同化能力を持つことが示唆された.

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