2015 年 6 巻 2 号 p. 162-166
昏睡型急性肝不全の内科的救命率を向上させるための第1段階として,血液浄化療法による昏睡覚醒率を向上させる目的から,On-line CHDFの開発を進めている。On-lineの治療をICUのベッドサイドで迅速に開始できるように,使用・非使用時の水質の確保を図った。すなわち,専用RO装置と連結した透析装置とし,endotoxin retentive filterを2本内蔵し,さらに,非使用時の自動洗浄プログラムを組み込んだ。また,肝の生理的な代謝機能を代償するために,一般の透析装置より低流量,長時間の流量調節ができるよう精度を向上させ,24時間連続稼働を可能にした。これにより1日288Lの治療水を作成し,そのうち置換液量として0Lから170Lまでを連続的に調節できるシステムとなった。この装置により,昏睡覚醒を主要評価項目として有効性を評価する予定である。