臨床化学
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レクチン親和電気泳動法による健常者の骨型・肝型アルカリホスファターゼアイソエンザイムの加齢変化
杉田 収和田 玲子桑名 友美広川 恵子屋形 稔
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1990 年 19 巻 4 号 p. 374-380

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抄録
ほぼ健常な小児患者と健常者の約1100名の血清を試料として, アルカリホスファターゼ (ALP: EC3.1.3.1.) の骨型および肝型アイソエンザイムをレクチン親和電気泳動法により求めた。活性値の測定はp-nitrophenyl phosphate基質での初速度法によった。生後14日までの新生児の骨型ALPは成人25歳の約3倍の活性値であった。一方肝型ALPは成人25歳とは大きな差は認められなかった。骨型ALPは生後8ヵ月前後までは上昇するが, その後減少し, 男児は 4歳, 女児は2歳で最低値になり, その後上昇して男児は13歳, 女児は 9歳で最高値に達した。以後男女共減少するが, 女性は50歳代から再上昇した。肝型ALPは, 男女共1歳未満は若干低く、以後少し上昇して, 13歳頃までは大きな変動はなかった。そして15歳前後に若干低下して, その後 80歳まで, ゆるやかに上昇した。
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© 日本臨床化学会
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