臨床化学
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金コロイド着色法による便中ヒトヘモグロビンの検出
小泉 直久木村 文男松尾 紘一鈴木 信行青柳 実
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1992 年 21 巻 4 号 p. 273-279

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抄録
便潜血の免疫学的検査法の主流であるラテックス凝集法は, 反応時間厳守や判定に熟練を要すことなどの問題点がある。そこで抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体を結合した金コロイド粒子と抗ヒトヘモグロビン抗体を結合した膜を用いたサンドイッチ法 (金コロイド着色法と呼ぶ) によるヒトヘモグロビン検出法を開発した。
本法はヒトヘモグロビン濃度0.2-400μg/mlの範囲で膜に明確な着色を示した。反応は3分で完了し, 3分後と60分後の判定結果は変わらなかった。他動物ヘモグロビン, 食品, 薬剤は試験した限り本法に影響を及ぼすものはなかった。便499検体を試験した結果, 本法はラテックス凝集法, 血球凝集法とよく一致した。内視鏡所見と本法の結果はラテックス凝集法, 血球凝集法の結果よりもよく一致した。以上の結果から本法は操作性に優れた新しい便潜血検査法として日常検査に応用できると思われた。
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© 日本臨床化学会
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