臨床化学
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血清総コレステロール測定の酵素法とアベル・ケンダル変法との比較検討
北村 元仕等々力 徹
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1992 年 21 巻 4 号 p. 266-272

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抄録
1. 血清コレステロール分析法の勧告法の候補としてALBK (Abell-Levy-Brodie-Kendall) 変法と酵素法を比較した場合, 同時多重測定, ランダマイズ2重測定, 施設問差の成績より, ALBK変法に比べ酵素法が精密度では顕著に優れていた。
2. ALBK変法と酵素法を用いて凍結乾燥品であるSRM909のコレステロール含量を測定した結果, 施設問差についての成績より, 酵素法において正確度の低下が認められた。しかし, 新鮮血清を測定した場合, 酵素法もALBK変法と同程度の正確度を有することが確認された。
3. 以上の成績より, 凍結乾燥を施さない血清標準品の調製が可能となれば, 血清コレステロ- ル測定の標準化に対し, 簡便な酵素法がALBK変法より勧告法候補として有用であることが明らかになるものと思われる。
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© 日本臨床化学会
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