臨床化学
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ビリルビンの光化学反応生成物の薄層クロマトグラフィによる分離とそのジアゾカップリング反応
鈴木 優治坂岸 良克
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1993 年 22 巻 3 号 p. 173-179

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抄録
ビリルビンの光化学反応生成物の薄層クロマトグラフィによる分離とそのジアゾカップリング反応について検討した。蛍光灯を照射したビリルビン溶液中には, ビリベルジンを含む11種類の物質がシリカゲルプレートを用いる薄層クロマトグラフィにより検出された。分離された物質のうちでビリベルジン以外の10種類の物質は吸収ピークが450nm付近にあるもの (6種類), 420nm付近にあるもの (3種類) および388nm付近にあるもの (1種類) の3群に分けられた。分離されたすべての物質はスルファニル酸のジアゾニウム塩と反応し, 550nm付近に吸収ピークを有する紫色の発色体を生成した。しかし, 亜硝酸による酸化では, 450nm付近に吸収ピークを有する物質は緑色のビリベルジンを生成したが, 420nm付近に吸収ピークを示す物質および388nm付近に吸収ピークを示す物質は360nm付近に吸収ピークを有する無色物質を生成した。また, 光照射により, ビリルビンIXαの異性体であるビリルビンIIIαおよびXIIIαも生成していることが確認された。
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© 日本臨床化学会
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