臨床化学
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近赤外分光と生体試料分析
尾崎 幸洋松永 貞一
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1995 年 24 巻 3 号 p. 123-131

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抄録
最近, 医学分野に限らず, 薬品, 食品, 農産物, 石油化学など広範囲な分野における定量定性分析手法, 検査手法として近赤外分光法が注目を集めている。その大きな理由は三つあると考えられる。一つはこの方法がすぐれた無侵襲, 非破壊分析法であるということ, 二番目には測定操作が簡単で, ルーチン分析に適していること, 三番目に近赤外光が比較的透過しやすいことである。昨今, 「観血から無侵襲へ」が臨床検査医学の大きな課題の一つとなっているが, 新しい無侵襲測定法として近赤外分光法は近い将来, 臨床検査医学において重要な地位を占める可能性がある。本稿では近赤外分光法の特徴についてまず述べ, その後臨床化学への応用例をいくつか紹介する。
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