臨床化学
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酵素サイクリングによる過酸化水素の産生とその高収量化によるアルカリ性ボスファターゼの高感度化学発光測定法
尿中FDP測定ELISAへの応用
森 時則
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1995 年 24 巻 3 号 p. 132-137

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抄録
アルカリ性ボスファターゼ (ALP) 活性を測定対象とする化学発光法として, NADP (ALP基質) の水解とアルコール脱水素酵素/1-methoxy-5-methylphenazinium methylsulfate (M-PMS) によるNAD/NADHサイクリング反応, およびペルオキシダーゼによるルミノール発光反応で構成される方式を用い, そのサイクリング反応に対するスーパーオキシドジスムターゼ (SOD) の添加によって, H2O2の生成収量を上げることを考案した。M-PMSにより発生するO2-をSOD触媒でH2O2へ転換することにより, H2O2蓄積とそのルミノール発光を測定する上記方式を可能とし, SOD無添加と比べ約4倍の収率を得た。その結果, 10分間のサイクリング反応で, 3-(2'-spiroadamantane)-4-methoxy-4-(3'-phosphoryloxy) phenyl-1, 2-dioxetane (AMPPD) 試薬による方法と同程度の感度が得られた。また本法のELISA適用試験として尿中微量FDP測定への応用実証を試みた。
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