抄録
アルカリ性ボスファターゼ (ALP) 活性を測定対象とする化学発光法として, NADP (ALP基質) の水解とアルコール脱水素酵素/1-methoxy-5-methylphenazinium methylsulfate (M-PMS) によるNAD/NADHサイクリング反応, およびペルオキシダーゼによるルミノール発光反応で構成される方式を用い, そのサイクリング反応に対するスーパーオキシドジスムターゼ (SOD) の添加によって, H2O2の生成収量を上げることを考案した。M-PMSにより発生するO2-をSOD触媒でH2O2へ転換することにより, H2O2蓄積とそのルミノール発光を測定する上記方式を可能とし, SOD無添加と比べ約4倍の収率を得た。その結果, 10分間のサイクリング反応で, 3-(2'-spiroadamantane)-4-methoxy-4-(3'-phosphoryloxy) phenyl-1, 2-dioxetane (AMPPD) 試薬による方法と同程度の感度が得られた。また本法のELISA適用試験として尿中微量FDP測定への応用実証を試みた。