臨床化学
Online ISSN : 2187-4077
Print ISSN : 0370-5633
ISSN-L : 0370-5633
HPLC法による総コレステロールおよびHDL-コレステロールの定量
自動分析法および沈澱法との比較
笹本 恵子岡崎 三代村松 敏夫柳沢 勉安藤 由利子亀井 幸子保崎 清人
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 25 巻 1 号 p. 28-34

詳細
抄録
ゲル濾過カラムによる分離とコレステロールのオンライン検出を組み合わせたHPLC法により, 超乳び検体を含む134例について総コレステロール (TC) とHDL-コレステロール (HDL-C) を定量し, HDLピークの保持時間からHDLサイズを比較した。HPLC法によるTCとHDL-Cの定量およびHDLサイズの測定の再現性は超乳び検体も含めて非常に良好であった。TCは自動分析法と差がなかったが, HDL-Cは沈澱法より若干高値であった。また沈澱法が適用できなかった7例 (TG: 1,905~5,378mg/dl) およびHPLC法と沈澱法との差が20mg/dl以上の乖離検体8例を除いた119例のHDL-Cの相関は, 非常に高かった (γ=0.990)。HPLC法によるHDL-Cは乖離検体を除いてトリグリセリド (TG) と負の相関を示した。乖離検体は全てHDLサイズが大きく, HDL-Cが非常に高値であり, HDL-CとTGの間に相関が認めらなかったことから, HPLC法と沈澱法で測定されるHDLの質的な違いが示唆された。
著者関連情報
© 日本臨床化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top