抄録
百歳以上高齢者32名を非痴呆群と痴呆群に分類し, 等電点イムノブロッティング法によりアポ E表現型を測定した。非痴呆群は21名 (65.6%), 痴呆群は11名 (34.4%) で全例アルツハイマー病 (AD) であり, 後者の平均発症年齢は97.5歳と超高齢であった。アポE表現型は, 痴呆群でE3/3 (9α9%), E3/4 (9I1%) のみ出現し, 非痴呆群と比較して有意差が認められず, 百歳以上高齢者においてアポE表現型とAD発症との間に関連を認めなかった。アポE遺伝子の解析は, ε2, ε4出現の痴呆発症における関与は否定的であり, アポε2が痴呆群で検出されなかった。