1975 年 3 巻 4 号 p. 444-452
1) CPK, PK反応系により血清および尿中creatineをpyruvateとし, そのヒドラゾン呈色を可視部で吸光度測定する定量法を確立した。
2) 尿試料においては従来から広く行なわれているJaffe反応による定量値と, 本原理による定量値が大きく解離しているものがほとんどであった。酵素反応の特異性, および反応速度の面より本法の正確さを考慮し, 化学的定量に及ぼす干渉物の存在の可能性を指摘した。今後それら物質等の同定およびその対策が必要である。
3) 試料の除蛋白を必要とせず, 操作が簡易であり, 反応時間も短かく日常の臨床検査法として十分使用に耐えうるものである。
4) 本原理に基づく自動化も可能で, 自動測定の普及が期待される。