臨床化学
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ラットのナトリウム, カリウムおよびカルシウムの基準範囲設定において考慮すべき影響要因
大庭 耕輔小田部 耕二山田 雅之
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2001 年 30 巻 3 号 p. 160-163

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抄録
非臨床毒性領域における臨床化学値の基準範囲設定を模索するため, 9施設から提供された非臨床毒性試験の対照群における5,000匹のラットデータを用いて, ナトリウム, カリウム, カルシウムに影響を及ぼすさまざまな要因を調べた。ナトリウムおよびカルシウムのデータが示す変動係数はきわめて小さく, これらの測定に影響を与える明らかな要因はなかった。カリウム測定に影響を与える要因として, 抗凝固剤および採血部位の相違が考えられた。血清を用いる場合には, 血液凝固後, 速やかに血清を分離すること, 眼窩静脈叢から採血する場合には, 採血部位の損傷を最小限に抑えて採血することが重要である。
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© 日本臨床化学会
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