臨床化学
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血液凝固検査・血球計数・生化学的検査の生理的変動幅と許容誤差限界の設定
和田 結辛島 貴人井上 恵川村 美奈子栗原 正子増本 道子豊福 美津子飯田 廣子栢森 裕三木下 幸子濱崎 直孝
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2003 年 32 巻 2 号 p. 200-209

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抄録
査値の変動幅の許容誤差限界を健常者の生理的変動幅を用いて算出する方法がある。日本では生化学的検査の生理的変動幅は複数の施設から報告されているが, 血球計数や血液凝固検査についての報告はない。今回, われわれは, 九州大学病院検査部において, 血液凝固検査14項目, 血球計数6項目, 生化学的検査28項目について生理的変動幅を算出し, 検査値の施設内変動と施設間変動の許容誤差限界を設定した。対象は, 健常者個体20名で, その内訳は20代 (男性3名, 女性3名), 30代 (男性2名, 女性2名), 40代 (男性1名, 女性4名), 50代 (男性3名, 女性2名) である。平成13年6月~ 平成14年5月の1年間に1カ月ごと12回早朝空腹時に採血して各項目を測定しその値を用いて算出した。次に設定した施設内変動の許容誤差限界と日常検査で使用している管理物質の変動係数とを比較したところ許容誤差限界は達成可能な値であった。
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© 日本臨床化学会
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