臨床化学
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フィルター法による small, dense LDLコレステロール測定法の特徴および性能
伊藤 康樹平野 勉芳野 原
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2005 年 34 巻 3 号 p. 240-247

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抄録
我々はLow-density lipoprotein (LDL) の中でも動脈硬化惹起性の高いsmall, dense LDLの簡便な測定法を開発した。まず、ポリアニオンと二価陽イオンからなる分離剤を用いて通常サイズのLDLを含む比重d<1.044g/mlのリポ蛋白を凝集させ、small, dense LDLを分離し、次いで、 small, dense LDLコレステロールを測定する。本測定法はフィルター遠心チューブを用いることにより高カイロミクロン検体でも正確にsmall, dense LDLを分離、測定することができる。本測定法では再現性、直線性も良好で、共存物質に影響されない結果が得られた。既報の測定法である超遠心分離法、電気泳動法、NMR法、HPLC法との比較ではすべて良好な相関性を示し、中でも超遠心法と最も高い相関係数を示した (r=0.927)。本測定法は、簡便であり特別な測定機器も必要としないことから、small, dense LDL測定法として広く普及することが期待される。
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© 日本臨床化学会
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