日本救命医療学会雑誌
Online ISSN : 2758-1055
Print ISSN : 1882-0581
症例報告
蜂毒に起因した多臓器障害に対して 血漿交換が奏功した一例
国武 和也鍋田 雅和金苗 幹典後藤 雅史平湯 恒久福田 理史高須 修
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2026 年 40 巻 p. 1-5

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抄録
 症例は72歳の男性. 竹林でスズメバチに全身を約90ヵ所刺され, 近医へ救急搬送された. 翌日の血液検査で血小板減少と肝障害, 腎障害の進行, さらに高CK血症を認めたため, 加療目的に当院へ転院となった. 搬入時, 意識障害と頻呼吸, 頻脈を呈しており, 体幹部・四肢には周囲に発赤を伴い, 中心部に壊死を伴った多数の刺傷痕を認めた. 蜂毒による多臓器障害と診断し, 人工呼吸器管理とDIC治療, 血漿交換を行った. 3回の血漿交換によりSOFA scoreおよびCKの経時的な改善を認めた. 意識状態が改善したことから第8病日に人工呼吸器管理を離脱し, 第39病日に維持透析導入目的に一般病棟へ転棟となった. 多数の蜂刺傷による死亡例の報告は散見されるが, これに対する明確な治療指針は示されていない. 多数の蜂刺傷を認め蜂毒による臓器障害, 重症化が予測される場合には, 早期に血漿交換を軸とした積極的治療介入を行うことが予後改善に必要である.
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