2023 年 4 巻 2 号 p. 154-162
主要地点でデジタルツインを構築することで,渋滞発生回避などを目的としたリアルタイムの交通流予測や動的な交通制御が可能となる.本稿では上記活用を見据え,オープンデータであるイングランドのデータを用いて短時間速度予測を実施した.モデルにはGradient Boosting Decision Tree (GBDT)とGraph Neural Network (GNN)を用い,両者の比較を実施した.対象170地点全体の比較結果からはGNN優位であるものの,個別地点ごとの評価ではGBDT優位の地点も複数存在することを明らかにした.また,時刻が大きく寄与する地点ではGNN優位を確認し,これらの地点に対してGNNの隣接行列から有効と判断した他地点データをGBDT入力データに追加することにより,GBDT精度向上に寄与することを確認した.最後に,GBDTとGNNの使い分けについて論じた.