AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
最新号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 全 邦釘, 阿部 雅人
    2024 年 5 巻 4 号 p. 1-3
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/27
    ジャーナル オープンアクセス

    調査・測量から設計・施工・維持管理までのあらゆるプロセスでICT等を活用して建設現場の生産性向上を図る「i-Construction」が推進されている.このような建設分野におけるDXを推進するための情報基盤として BIM/CIM(Building /Construction Information Modeling)への関心が高まっている.そこで,BIM/CIMのこれまでの取り組みや国際的な標準化,国内での基準化や適用の状況,実際の設計や施工での利活用など産官学の取り組みを解説する論文を収集・掲載した.

  • 矢吹 信喜
    2024 年 5 巻 4 号 p. 4-14
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/27
    ジャーナル オープンアクセス

    デジタル化の効果を実感できない要因の背景にあるのは「データ囲い込み症候群」であろう.マインドセットを新たにしてデータベースを活用すべきである.データベースは,データモデルに基づいてデータを入力・更新する.データモデルとは情報構造を抽象化,体系化したものである.BIMの原点はCGで,作成物を形状モデルと呼ぶ.BIMの3次元形状モデルはほぼソリッドモデルである.BIMは,意匠設計,構造設計,設備設計,生産設計を同時並行的かつ前倒しで行う.設計データを生かすことで全体最適化を目指す.そのためには,3次元プロダクトモデルを標準化し,データを交換・共有できるようにする必要がある.自動化のためには,機械がデータを理解できるよう用語の標準化が不可欠である.

  • 桝谷 有吾
    2024 年 5 巻 4 号 p. 15-28
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/27
    ジャーナル オープンアクセス

    国土交通省では,建設現場のオートメーション化を目指し,「i-Construction 2.0」を策定した.①施工のオートメーション化,②データ連携のオートメーション化(デジタル化・ペーパーレス化),③施工管理のオートメーション化(リモート化・オフサイト化)が柱である.データ連携の中核となるBIM/CIMは昨年度から原則適用としており、効果や課題が見えてきている.現在の主な取組は「3次元モデルと2次元図面の連動」と「属性情報の活用」である.前者は,3次元モデルと2次元図面の主要部分を一致させることを目指す.後者は積算を対象に,数量データを自動入力して人為的ミスの削減やチェックの簡素化ができるとともに,様々な段階で活用できることを目指す.BIM/CIMによるデータ連携は,事業全体で体系的に取り組む必要がある.今後さらにユースケースを増やしてBIM/CIMを推進していく予定である.

  • 宮内 芳維
    2024 年 5 巻 4 号 p. 29-32
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/27
    ジャーナル オープンアクセス

    バベルの塔は,標準データで相互運用性を強化することが大事だということを示している.データのサイロ化の弊害を解決するのが,IFCであり,bSDD(buildingSMART Data Directory)である.bSDDを使えばデータ入力は楽になり,相互運用性が劇的に加速する.BIMのデータ連携は,分野内外での属性情報のデータ交換がキーポイントになる.データ連携を進めるための方法である openBIM®のワークフローは,IFCやBIMにおける世界標準の技術を使っている.IFCの周りを支えている技術標準をフルに活用してワークフローを構築することが大切だ.特定のソフトウェア,閉じた技術に依存することは非常に危険で,“持続可能性”を常に思考すべきである.建設の知識しかない人でもBIMができるようにワークフローはオープンで,相互運用性に優れていなければならない.

  • 後閑 淳司
    2024 年 5 巻 4 号 p. 33-38
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/27
    ジャーナル オープンアクセス

    RC躯体構築の施工管理は煩雑である.工程表作成に時間を要し,適切な工程の選択も難しい.その改善に向けて,鹿島建設では工程表自動作成ツールのソフト開発に取り組んできた.主な改善点は,数量算出の自動化と工程管理ソフトとのデータ連携と工程表作成の自動化である.工程表自動作成ツールの仕組みは,対象の躯体の3次元モデルを,打設区分割りすることで型枠・足場・支保工といった仮設物のモデルを自動作成し,それぞれの数量を算出する機能と,基本的な工程順序をルール化して記憶させた工程管理ソフトにそれらのデータを自動的に連携させることである.ほかに,型枠の自動割り付け最適化システムの開発,鉄筋加工・組立作業の効率化技術にも取り組んでいる.

  • 細矢 征史
    2024 年 5 巻 4 号 p. 39-46
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/27
    ジャーナル オープンアクセス

    鋼橋メーカーのIHIインフラシステムにおいて,BIM/CIMの主な活用範囲は施工(着手前~完成時)である.現状の鋼橋新設工事におけるデータ提供形態では,設計から提供されたデータを工場のシステムでは読み込めない.これを改善するために業界で進めているデータ連携の取組の試行工事でデータ連携の効果や課題を検証した.特にデータ連携の効果が最も期待される原寸工程を対象にデータ活用の有効性を検証した.主に効果を発揮したのは3Dモデルの早期化による干渉チェックの自動化であった.原寸工程の工数削減にはまだ効果が低かったが,期待される工数削減を実現するための課題は判明した.また,維持管理での活用も始めている.長大橋の維持管理では,活用できるモデルや属性情報のあり方を検討している.点検にフォーカスした場合,変状位置の特定や変状分布の把握が有効と考えている.ただ,上流のモデルをそのまま活用するには課題があり,解決に向けて試行錯誤が続いている状況である.

feedback
Top