2024 年 3 巻 1 号 p. 172-181
我が国では,安全運転支援や自動運転支援の実現に向けて,高精度な道路地図の整備が進められている.道路の形状は,新設工事や改良工事等で日々変化するため,地図更新による鮮度の確保が極めて重要である.一方,近年ではi-Constructionや情報通信技術による道路工事や点検によって,道路の3次元形状を表現するデータが蓄積されている.この蓄積されたデータを用いて高精度な道路地図を自動調製・更新できれば,持続可能なインフラメンテナンスの実現に向けた道路管理の高度化や安全運転支援の実現に寄与できる.本研究では,道路舗装のICT施工履歴データによる3次元モデルの生成手法を改良し,その3次元モデルと高精度な道路地図とを重畳することで,これらの間に親和性があることを確認した.そして,道路地図の調製への適用可能性のあることを明らかにした.