インフラメンテナンス実践フォーラム
Online ISSN : 2759-0240
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ASRが疑われる橋梁の振動特性計測による剛性評価手法の検討
遠藤 義英中野 主久山岸 貴俊岩崎 篤津野 和宏
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2025 年 2 巻 1 号 p. 26-29

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抄録

 本研究では,アルカリシリカ反応(ASR)が橋梁の剛性に与える影響を評価するため,ASRが疑われる縦ひび割れの発生している橋梁と発生していない橋梁の振動特性を比較した.各橋梁の加速度データから固有振動数および活荷重たわみを算出し,曲げ剛性EIを推定した.解析の結果,固有振動数から算出した曲げ剛性と活荷重たわみ量から算出した曲げ剛性は一定の相関がみられ,また道路橋示方書に従い図面から算出した設計上の曲げ剛性との比較では,全橋梁で相関が得られた.また実測値から算出した曲げ剛性が設計値を上回ったことから,供用開始以降の顕著な剛性低下はないと考えられる.本手法により,短時間の簡易計測のみで橋梁の剛性推定が可能となり,目視点検に加えることでより定量的な健全性評価が可能となり維持管理水準の向上が期待できる.

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