抄録
近年, 風土を生かした地域整備の重要性が指摘されてきている. そんな中で, 地域の色は, ある土地の持っている属性の中でも重要なものであるとの指摘は多い.
筆者らは, こうした地域の色について物質的な色彩を対象として景観評価を行った. ここでは, 人間の感覚であるアンケート結果を踏まえ, 土木研究所などが提案している景観チェックリストやフラクタル解析結果などを検討した. その結果, 従来の河川景観のチェックリストでは色彩が十分に考慮されておらず, 実際の人間の感覚と異なる結果を導き出す場合があることが示された. また, 色彩を含んだ景観の良否の観点を検討する場合にはフラクタル解析が人間の感覚にも近いことが示された.