抄録
出発時刻選択問題における動的な均衡状態の導出方法, 均衡状態と最適状態の関連, 均衡状態の存在についての定理とそれらの関連を示す. 出発時刻選択問題は道路における渋滞を費用最小化原理と均衡状態を前提として理論的に解析するための枠組みであり, これまでいくつかの研究により解法が示されている. しかしこれらの研究では費用関数に強い制約が課せられていた. この研究では, 利用者の選択する経路上に存在するボトルネックが1つだけしかない場合において, 費用関数の前提条件を緩和した上で出発時刻選択問題の解法および均衡状態のもつ数理的な性質を示す定理を導出する.