抄録
高齢化社会が進行する中で, 歩道舗装の設計において, 高齢者や障害者が安心して戸外に出かけられる環境を第一に考え, 早急に歩道環境の改善を図る必要がある. 本研究では, 歩行中の「転倒によるけが」に対する危険性を低減するため, 歩道舗装のうち転倒しても比較的安全な弾性舗装に着目し, まず, (1) 弾性舗装は歩きやすいかどうか, (2) 弾性舗装が歩きやすいための条件とは何かを調査した. 次に, (1) 転倒しても比較的安全な硬さの範囲, (2) 歩きやすい硬さの範囲, (3) 車いすが走行しやすい硬さの範囲がそれぞれどこにあるのかを検討し, その共通の範囲から弾性舗装の適正な硬さがおおむね70~90 Gの範囲にあることを示した.