抄録
本研究は, 重錘を圧縮空気で浮上させることで底面摩擦によるエネルギー逸散を無くした衝突実験装置を開発し, 衝突時の運動エネルギーの消失量と二つの衝突重錘間に設置したコンクリート供試体のひずみエネルギーの収支を確認しつつ, コンクリート局部応答領域が圧壊する際の荷重~変形関係を計測し, 静的および高速圧縮実験と比較考察したものである. 実験によると, 最大強度が静的強度より増加する傾向はあるものの, 高速載荷実験ほどではなく, 最大荷重後のじん性が大きいことが認められた. また, 衝突実験結果を一次元バネ~質点モデルで解析し, 実験による観測値の信頼性についても検討した.