2005 年 2005 巻 792 号 p. 792_27-792_43
近年, 都市域におけるトンネル工事においても山岳工法を用いることが多くなっている. 都市域でのトンネル施工は, 未固結地山を対象とすることが多く周辺環境への影響を最小限に抑えなければならないことから, 補助工法を活用して解決している. 本論文では, 補助工法の中でも施工実績の多い長尺鋼管先受け工について, 三次元解析モデリングを行い, その変位抑制効果について評価を行った. その結果, 軟弱な地山ほど沈下抑制率は大きくなり, 比較的安定した地山では小さくなることが示された. また, 実現場への適用として長崎県オランダ坂トンネルを対象に, 計測結果から解析の妥当性を検証し, 未掘削域の地表面沈下の予測と解析結果に基づく対策工の検討を行い, その効果を確認した.