抄録
アスファルト表面遮水壁工について我が国では確立した技術基準がないため, 一般的に先行地点の実績を踏まえた施工管理がなされており, 施工管理基準の具体的な設定根拠は必ずしも明らかとされていない. 本稿では, 我が国初となる通年施工での遮水壁舗設を考慮し, 室内試験及び試験施工の結果に基づき体系的に策定した施工管理基準の基本的内容を示した. この主な成果として, 遮水層の施工温度は品質を最終的に左右する二次転圧終了温度に着目して基準化を図ったこと, 外気温や施工箇所等に応じたアスファルト量の柔軟な調整を可能にしたこと等が挙げられ, 実証試験結果に基づく合理的な施工管理基準の策定を達成した.