2005 年 2005 巻 799 号 p. 799_13-799_24
著者らは, これまでにため池を対象に貯水容量低下や水質悪化の原因となる池内に堆積した底泥土を固化処理して, そのため池の堤体改修用の築堤土として活用し, 堤体改修と底泥土の除去処分を同時に達成できる砕・転圧盛土工法を開発してきた. この工法は池近傍で所要の強度と遮水性を有する築堤土を入手できない場合でも経済的な堤体改修を可能にしたものである. 本論文は, この工法をため池より規模の大きいフィルダムの堤体改修への適用を想定し, 堤体の安定性評価に必要となる固化処理した底泥土からなる築堤土 (砕・転圧土) の三軸圧縮試験を実施し, 強度パラメータに及ぼす圧密拘束圧と底泥土の粒度の影響を調べた結果を報告する.