2005 年 2005 巻 801 号 p. 801_213-801_226
近年, 既設の鋼床版に疲労損傷が見つかった. 特にデッキプレート直下に生じた疲労損傷については, 直接作用する輪荷重の影響によるデッキプレートの局部的な変形と, それによる応力集中が原因と考えられ, 損傷が直接通行車両へ影響を及ぼすこと, また同一の橋梁内には同じディテールが多数存在することから, 疲労損傷は広範囲にわたる可能性が高く, 適切な補修・補強工法の確立が求められている.
本研究は, デッキプレートの補強に着目した鋼床版の補強工法として選定した3種類の工法について, 実橋の一部を取り出した実物大試験体を用いた載荷試験により, 補強効果について検討を行ったものである. ここでは, 載荷試験によって得られた鋼床版の応力挙動とともに, 各補強工法の有効性を述べる.