土木学会論文集
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和文論文
セメント系多孔体の水和組織形成とイオン平衡を考慮した強相関カルシウム溶脱連成解析
半井 健一郎石田 哲也前川 宏一中根 理史
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2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_79-802_96

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抄録
本研究は, セメント硬化体からのカルシウム溶脱による長期的な変質劣化を, 時空間で追跡可能な数値解析システムの確立を目指したものである. 温度, 水和進行, 細孔組織形成, 細孔内塩化物イオン濃度の各状態量とカルシウムの固液相平衡を強相関関係に結び, 時々刻々と変化する水和生成物量・空隙構造・水分および塩化物イオンの移動を統括する熱力学連成解析システムと統合した. これにより, カルシウム溶脱解析の適用範囲を拡張することが可能になった. 浸漬試験結果との比較によりモデルの適用性を定量的に検討するとともに, 温度変動, 塩化物イオン侵入, 混和材料の混入に伴う溶脱特性の変化, 溶脱と再水和の連成について分析を行い, 各種要因を考慮したカルシウム溶脱解析が可能であることを示した.
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© 2005 公益社団法人 土木学会
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