2005 年 2005 巻 804 号 p. 804_93-804_100
6ヶ所の下水処理場を対象として, 硫酸塩還元細菌と硫黄酸化細菌の現存量と活性の調査を行った. 処理場の種類, 採水時期にかかわらず, 硫酸塩還元活性が高い汚泥は硫黄酸化活性が高く, 処理槽流入水中の酢酸, プロピオン酸濃度が高いときに, 硫酸塩還元活性と硫黄酸化活性が高い傾向にあった. 糸状性硫黄酸化細菌 type 021N (Thiothrix spp.) の増殖が認められた2ヶ所の処理場に関して, FISH法による硫酸塩還元細菌と糸状性硫黄酸化細菌の変動を調査した結果, Thiothrix eikelboomiiの増殖とDesulfonema spp. の増殖の時期が一致していることが示された.