2005 年 2005 巻 805 号 p. 805_77-805_90
堤高の高いロックフィルダムでは, 堤体の内部・外部に多数の計測機器を埋設し, この情報と別途行う挙動予測解析の結果を照査することによりその安全性を評価している. 挙動予測手法の最近の動向を見ると, 数値解析に土と水の連成を構成則に取り入れるなど, 手法は高度化している. しかし物性値のゾーニングの限界, 複雑な材料特性などから, 実測の挙動を高精度で再現するには至っていない. このような状況に鑑み, 筆者らは実測に即した予測を行うANN等を用いた挙動予測手法の高度化について研究している. 本論文は, 簡易な数値解析, 遺伝的アルゴリズム及び人工ニューラルネットワークを組合せた新たな予測手法を開発したものである. またこの手法を実ダムへ適用して, その有効性を確認したものである.