1955 年 1955 巻 29 号 p. 88-97
橋脚井筒は基礎地盤の影響をうけて, 弾性動揺振動を行うことを著者はすでに確認したが, 本研究は引続いてこの振動に及ぼすセン断効果について詳細な考究を進めたものである。この場合弾性動揺振動を1) 曲げセン断振動, 2) 曲げ振動, 3) セン断振動の三者として理論的な解析を行い, 実在橋脚井筒を例にとつて詳細な数値計算を実施した。この結果道路橋の橋軸に直角方向のように, 長さに対して横断寸法がかなり大きいいわゆる太くかつ短かい寸法の橋脚井筒で, 弾性動揺振動のいちじるしい特性としてセン断効果は非常に小さく, 事実上これを無視してもよいという注目すべき成果を収めることができた。