1959 年 1959 巻 65 号 p. 43-55
軸並びに分度円関係誤差は望遠鏡部分の光学的誤差と共に測角器械誤差の主要部分を占めるもので, その正確な把握は一等経緯儀などによる高精度の測地的測量において欠くべからざるものであることはいうまでもない。本文は前回の「視点軌跡の曲線形の形状並びにこれに基づく観測差について」に引続き, 測角器械の軸並びに分度円関係誤差について徹底的に解析検討を加えて従来の所論の不備を補足し, かつその結果を一等経緯儀“Wild T3”に適用して軸並びに分度円関係誤差の collimator による実地観測結果について推計論的処理を示したものである。ただし本文では紙数制限の関係上, 大綱に支障ない限り所々省略してある。