土木学会論文集
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高炉セメントを使用したコンクリートの性質におよぼす乾燥および湿潤のくり返し作用の影響
小林 一輔
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1961 年 1961 巻 72 号 p. 15-22

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抄録

本文は高炉セメントを用いたコンクリートが, (1) 連続乾燥された場合の容積変化, 重量変化率, 動弾性係数, (2) 乾燥および湿潤のくり返し作用を受けた場合の容積変化, 重量変化率, 動弾性係数について普通ボルトランドセメントを用いたコンクリートと比較実験を行なった結果について述べたものである。
用いた高炉セメントは高水津高炉セメント (水津混和率65%) および低水滓高炉セメント (水津混和率45%) で, 実験の結果からつぎのことが結論できる。
(1) 高炉系セメントを用いたコンクリートの乾燥収縮は水セメント比, 養生期間, 空気連行のいかんを問わず大体においてボルトランドセメントを用いた場合と変らない。
(2) 高炉系セメントを用いたコンクリートは水中養生期間中の膨張が普通ボルトランドセメントを用いた場合よりもいちじるしい。
(3) 乾燥および湿潤のくり返し変化を受けた場合の容積変化および重量変化率の変化の模様はセメントによって顕著な差異が認められないが, 動弾性係数の変化については, 高炉系セメントを用いた場合と普通ボルトランドセメントを用いた場合では明らかに異なった傾向が認められる。

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