マトリックスを用いた格子桁の一解法

抄録

上路桁橋において, 荷重分配横桁を配し格子桁として計算を行なうことは近年非常な高比率を示してきている。一方, 実橋の挙動からしても格子桁としてとりあつかうことが合理的であることは論をまたない。この構造の解析に関してはすでに多くの論文が発表されているが, 本論文は単純合成桁格子構造に関する解法である。仮定条件として鉄筋コンクリート床板は合成桁指針に定められた主桁協力幅をもって各隣接桁と断絶せしめ, 分配横桁によってのみ荷重分配作用がなされるものとみなした。格子構造における主桁と横桁の格点座標系と荷重載荷点の座標系を独立して考え, 各載荷状態に対する不静定格点力, 曲げモーメント, 支点反力, たわみなどの理論式を導き, 電子計算機によっていくつかのCase についてそれらの影響面距を計算しtable を作成した。この格点座標系と載荷点座標系が一致する場合は, いわゆるHomberg氏の数表に示された荷重分配率と全く等しい結果が得られることが確かめられた。 本論文は従来の荷重分配に対する概念よりもさらに広義な立場から解析を行なったものである。